ぽろんの女 不良時代
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氷雨の降る日にぽろんの女の店に入りました。
不良時代
2019/07/16 - Tue - 07:30
 細く釣り上がった目。彼女は結い上げた髪を解くと、
「少し肥えたけどイメージは残ってるでしょ」
「リエ?」
「そう。学年一番の不良。2年間ツトムの女」
「だけど今は浮気者の肉屋のおかみ。子供が2人」
「そこまでねいさん言わないでよ。初恋の夢が壊れる。ツトムはまだ独身?」
 ぽろんが気を使って小瓶を2本抜いて前に置いて隣で盛り上がっている。
「ああ」
「ツトムは不良の割には勉強できたもんね。私はすねてたからね。喧嘩ばかりしていた。これ憶えている?」
 リエが財布から小さなお守りを出してくる。
「知らないと言われたら悲しいから、私から言う。学校の近くにある神社で二つ買ってくれた」
 私はそのお守りをすっかり忘れてしまっている。でもこの長い髪と細く釣り上がった目は好きだった。
「今でもツトムの勉強部屋の押し入れ憶えてる。おそらく100回はやったね。いつも口にハンカチを銜えさせられていた。あんだけやったのに子供できなかったのに今の主人とは1回きりで出来ちゃった婚」
「その濃厚な話は外でやって」
 ぽろんと石田が笑っている。それで追い出されるようにネオンの消えた商店街に出る。リエが腕を掴んでぐいぐいと路地に入っていく。
「子持ちだろう?」
「今日は泊まる。そうしないとここの運河に飛びこむ」
「相変わらずだな」
 あの頃お金が出来たら泊まっていたラブホテルがまだあった。







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『夢追い旅』『空白』とダンポール箱から出してきた小説をアップしてきましたが、今回は初めての短編で書き下ろしました。私の転機の記念碑です。

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